心の境界線<バウンダリー>
バウンダリーというのは心理学で
「心の境界線」
を意味します。
バウンダリーを自由に使いこなすことができるようになると
健全な人間関係を築くことができ、自分の感情や思考を守ることができます。
自分の感情や思考を守ることで
いわゆる「自分軸」や「自分らしさ」を尊重することができるようになり
相手にしっかりと自分の意見を伝えられるようになります。
一見すると逆説的に思えますが
「自分軸」「自分らしさ」をしっかりと主張することが出来る状態になると
相手の意見や主張に対しても
柔軟に対応できるようになります。
では
実際にバウンダリーとは何か?
どんな場面でどんな風に使うものか?
少しイメージしていただけるよう
図解にしました。
バウンダリーの前に、健康な心を育むには
安心できる心の敷地が必要です。
安心できる心の敷地が上手く育っていると
安定感のある人間関係を送ることができます。
上の図が表しているのは、安心できる心の敷地です。
フェンスやドームで守られている中央の部分が
自分の安心できる心の敷地です。
強い風が吹いても
怖い犬がやってきても
フェンスやドームで自分を守ることができます。
ここでは、フェンスやドームが「バウンダリー」の役割をしています。
少しイメージできたでしょうか?
次に、ストレスや外的刺激がある状態のイメージです。
具体的な外的刺激やストレスとしては、
・他人からの心無い一言
・暴言/暴力
それ以外にも
・多すぎる仕事や、仕事のストレス
・相手は良かれと思って伝えてきたお節介な言葉
・繰り返し思い出す過去のトラウマ
・人混みや賑やかすぎる場で受けるエネルギー
・他人からの過剰なスキンシップ
などが挙げられます。
これらのストレスから自身を守るためにも
バウンダリーをしっかりと使いこなす必要があります。
では、バウンダリーを使いこなすにはどうしたら良いでしょうか?
「人は誰しも皆、自立した存在である」
「誰一人、同じ感情・同じ思考の人はいない」
こういった考えのもと、
まずは自他をしっかりと区別するという感覚が非常に重要です。
自他をしっかり区別する
そのことこそが、バウンダリーを意識することです。
このような考えがしっかりできるようになると
目の前の問題があらわれた時、
自分の問題か?相手の問題か?
ということをしっかりと認識することが出来るようになります。
相手の問題について自分が介入しようと考えがちな方は
優しさ・責任感が強い方であると同時に
行き過ぎると、お節介であったり、支配型の人間関係になってしまいます。
逆に、
相手に容易く介入されがちなタイプも
バウンダリーの意識が非常に薄いかもしれません。
ここから先は、私の問題です。あなたの介入は必要ありません。
というメッセージを伝える必要があるかもしれません。
バウンダリーを意識しない関係性が当たり前になってしまうと
上記のように
支配型の人間関係であったり、過干渉な親子関係や
共依存といったような状況に陥ってしまう場合もあります。
私たち日本人は、
「空気を読む」
「相手を思いやる」
「人と人は支え合って生きている」
などの、思いやりの文化が根強く浸透しているので
バウンダリーについて
「冷たい」「寂しい」「自己中心的」
などの感覚を持つ方も少なくないのではと感じています。
一方で、
「自己主張ができない」
「周りの目が気になる」
「自分の言動が、誰かを傷つけてしまうのではないかと考えすぎてしまう」
といったような悩みに苦しんでいる方も多いように感じています。
まずは、些細な事で構いません。
目の前に問題が起こった時、
①それは自分の問題か?相手の問題か?の視点を持つ
②自分は本当はどうしたいか?本当の気持ちに気付く
③相手に、どうして欲しいかを伝える
この3点を意識してみると
バウンダリーを上手く使いこなすための一歩になると考えています。
当然、
バウンダリーを意識せずとも
健全な人間関係を過ごしている方もいらっしゃいます。
ご自身で
安心できる心の敷地をしっかりと持っていたり
自分軸・自分の価値観・判断基準・自分らしさをしっかりと認識されていらっしゃる方は
自然とバウンダリーを使いこなしている状態です。
そして
バウンダリーの概念を意識した上でも
誰にどんなことを言われても、されても
自己成長のために受け止めたい!
そんな方もいらっしゃいます。
自分にとってストレスのある状態を遮断するだけではなく
ストレスを受け入れる
というのもまた、
自分で選択できるようになります。
イラストのフェンスを
その時々で、閉じたり開いたり
自由に選択できる
そんなイメージです。
そんな状態が
バウンダリーを上手く扱えている状態です。
上手く伝わったでしょうか?
こころのカウンセリングでは
バウンダリーを上手く意識できていない(意識するのが苦手)方のために
ゲーム感覚で面白く自己認識を高めるトレーニング
「バウンダリー発見ゲーム」
や
自分自身の本当の想いに気付く
「インナーチャイルドヒーリング」
や
今まで抱えていた自分の生きづらさを捨てて
本当に自分が望む生き方を実現するための
「不自由な信念の書き換え」
などの心理療法を行っています。
親からの過干渉や無関心
学校や職場でのいじめやパワハラなどを受けてきた方の中には
人との距離の取り方が良くわからないことが原因で
人間関係や人生に悩み
生きづらさを抱えている方が多いのも事実です。
当カウンセリングルームでは
このようなお悩みを抱えている方向けに
カウンセリングを行い、同時にバウンダリーやその扱い方についてお伝えしています。
バウンダリーについて知ることで
カウンセリングルームでカウンセラーと共に癒しを体験するだけでなく
ご自身が日常の人間関係の中で
バウンダリーを意識し
沢山の気付きと学び、
そして癒しを体験できるようになると考えています。